国境なき医師団の正体は?誰がどういった経緯で立ち上げた?
国境なき医師団(Médecins Sans Frontières、略称MSF)は、1971年にフランスで設立された民間の非営利医療・人道援助団体です。その設立には、医師とジャーナリストが深く関わっています。
設立の背景
画像引用元:国境なき医師団ホームページ
1967年にナイジェリアで勃発したビアフラ戦争が、国境なき医師団設立の直接的なきっかけとなりました。この内戦で、約150万人以上の市民が犠牲となる悲惨な事態が発生しました。
国際赤十字の援助活動に参加していたフランス人医師たちは、この非道な状況に強い憤りを感じ、国際赤十字の「沈黙の原則」を破って、政府軍による市民への暴力を公に非難しました。
設立の理念
この経験から、医療援助と同時に人道危機の実態を世界に訴える「証言」の重要性を認識した医師たちは、新たな援助団体の設立を決意しました。こうして生まれたのが国境なき医師団です。その理念は、以下の点に集約されます。
- 人種、宗教、信条、政治的な関わりを超えた無差別の援助提供
- 中立性と不偏性の遵守
- 政治的、経済的、宗教的権力からの完全な独立性の保持
国境なき医師団への寄付の始め方
国境なき医師団への寄付は、彼らの医療・人道援助活動を支える重要な柱となっています。寄付を始めるには、以下のような方法があります。画像にもリンク貼っておきますね。
オンライン寄付
画像引用元:国境なき医師団寄付ページ
- クレジットカード
- コンビニエンスストア
- Amazon Pay
- ペイジー(ATM・インターネットバンキング)
- 楽天Edy
- auかんたん決済
その他の寄付方法
- 街頭キャンペーンでの寄付
- 地域・学校・サークルなどでの募金活動
- ポイントでの寄付
- 従業員募金
- 古本での寄付
- “お宝”での寄付
- お買い物での寄付
税制優遇措置
国境なき医師団日本への寄付は、税制優遇措置の対象となっています。(お住まいの自治体が、国境なき医師団日本を「寄付の税制優遇の対象団体」に指定している場合)所得税、法人税、相続税、一部の自治体の住民税において、条件を満たせば優遇措置を受けられます。
国境なき医師団の寄付をやめる方法
定期的な寄付をしている場合、寄付をやめるには以下の手順を踏むことが一般的です:
- 国境なき医師団の公式ウェブサイトにアクセスする
- 寄付者専用ページにログインする
- 定期寄付の解約または一時停止の手続きを行う
- 確認のメールや電話に応対する
もし上記の方法で解決しない場合は、直接国境なき医師団の寄付者サポートチームに連絡を取ることをお勧めします。
国境なき医師団が駅前や街頭でどんな活動しているの?
国境なき医師団は、街頭や商業施設などで啓発活動と募金活動を行っています。具体的には、
- 活動地域の現状説明:国境なき医師団が活動している地域の状況を詳しく説明します。
- 写真や映像の展示:活動の様子を視覚的に伝えるため、写真や映像を用いた展示を行うことがあります。
- パンフレットの配布:団体の活動内容や寄付の使途について詳しく記載されたパンフレットを配布します。
- 寄付の呼びかけ:活動を支援するための寄付を呼びかけます。
国境なき医師団の人はどんな勧誘してくるの?
国境なき医師団のスタッフは、通常以下のような方法で支援を呼びかけます
- 活動内容の説明:団体の使命や具体的な活動内容について丁寧に説明します。
- 現地の状況報告:援助を必要としている地域の現状を詳しく伝えます。
- 寄付の重要性の説明:寄付がどのように使われ、どのような影響を与えるかを説明します。
- 寄付方法の案内:一回限りの寄付や定期的な寄付など、様々な支援方法を紹介します。
ただし、強引な勧誘や個人情報の無断収集などは行わないのが原則です。
国境なき医師団はガザでどんな活動しているの?
国境なき医師団は、ガザ地区で重要な医療・人道支援活動を行っています。2018年の事例では
- 重傷患者の治療:約7週間で680人以上の重傷患者を治療しました。
- 術後ケア:930人以上の患者に術後ケアを提供しました。
- 医療体制の拡大:援助体制を3倍に拡大し、増大する医療ニーズに対応しようと努めました。
しかし、10年以上続く封鎖下のガザでは、医療ニーズが高まり続けており、十分な対応が難しい状況が続いています。
国境なき医師団に日本人はいるの?
画像引用元:国境なき医師団体験談
国境なき医師団(Médecins Sans Frontières、MSF)には、多くの日本人スタッフが参加しています。彼らは医療スタッフとしてだけでなく、非医療スタッフとしても世界各地で活動しています。また、日本国内でも事務局職員やボランティアとして活動を支えています。
日本人スタッフの役割
海外派遣スタッフ
日本人スタッフは、医療スタッフと非医療スタッフの両方として国境なき医師団の海外派遣に参加しています。医療スタッフには、医師、看護師、薬剤師、助産師などが含まれます。一方、非医療スタッフには、財務、人事、物流、調達、プロジェクト管理などの専門職が含まれます。
事務局職員
日本国内の事務局では、資金調達、広報、証言活動、スタッフの採用と派遣などの業務を担当する職員が働いています。これらの職員は、国境なき医師団の活動を支える重要な役割を果たしています。
ボランティア
日本国内では、イベントや事務局の業務をサポートするボランティアも多く活動しています。ボランティアには、学生から社会人、シニア世代まで幅広い層が参加しており、子ども向けの教育プログラムやさまざまなイベントの運営を手伝っています。
日本人スタッフの体験談
日本人スタッフの体験談からは、彼らがどのような思いで国境なき医師団に参加し、どのような困難や達成感を感じているかがわかります。例えば、イエメンで活動したプロジェクト・コーディネーターの落合厚彦さんは、新型コロナウイルスの感染拡大に対応するための治療センターの立ち上げと統括を担当しました。彼は、医療用酸素の不足やスタッフのトレーニングの必要性など、多くの課題に直面しました。
また、チャドで活動したロジスティシャンの小坂真理子さんは、マラリアやはしか、栄養失調に対応するための物資の調達や在庫管理を担当しました。新型コロナウイルスの影響で物資の輸送が制限され、ワクチンやガソリンの入手が難しくなる中、地元の仕立屋にマスクを発注するなどの工夫を凝らして対応しました。
日本国内での活動
国境なき医師団日本(MSF Japan)は、日本国内でも積極的に活動しています。募金活動や啓発活動を通じて、国境なき医師団の使命と活動内容を広く伝えています。また、定期的に説明会やイベントを開催し、海外派遣スタッフの募集や活動報告を行っています。
国境なき医師団で働くには英語が必要?また給料はいくら?
英語の必要性
国境なき医師団で働くには、一般的に英語力が必要です。多国籍のチームで働くことが多いため、コミュニケーションツールとして英語が使われます。ただし、活動地域によっては、現地語や他の言語(フランス語など)も重要になる場合があります。
給与について
国境なき医師団での給与は、職種や経験、活動地域によって異なります。一般的に、現地生活に必要な程度の給与が支給されますが、民間企業などと比べると低めに設定されています。これは、団体の理念である「人道支援」の精神に基づいています。
具体的な金額は公開されていませんが、生活に必要な基本的な費用(宿泊費、食費など)は別途カバーされることが多いです。また、危険手当てなどが付く場合もあります。
国境なき医師団で働く人々は、高給を目的とするのではなく、人道支援への強い意志と使命感を持って活動に参加しています。
まとめ
以上が、国境なき医師団に関する詳細な情報です。この団体は、世界中の危機的状況にある人々に医療支援を提供し続けており、その活動は多くの人々の命を救っています。
寄付や支援を考えている方は、彼らの活動理念や具体的な取り組みをよく理解した上で、自分にできる支援方法を選択することをお勧めします。
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